元横綱・芝田山康さん(53) 睡眠時無呼吸症候群
稽古では呼吸がすぐ上がってしまうし、成績は振るわない。体を休ませたくても横綱という立場上、簡単には休めない。「それでも前へ進むしかないんだ」と自分を追い詰める日々が続きました。
■心臓に負担かかりポックリいく可能性も
夜は眠れず、夜中にトイレに起きることが多くなったため、まず疑ったのは糖尿病でした。でも、血液検査は異常なし。原因がわからなかったことで一層、周囲から「太り過ぎ」「稽古不足」とみられるようになりました。「相撲で勝てなきゃ夜も眠れないだろう」――そんなふうに言われたこともあります。
思えば、15歳の入門時は83キロだった体重が、7年後の大関時代には180キロ、横綱では200キロ以上に増えましたからね。首回りに肉が付き過ぎて、寝ている時には気道を狭くする大きな要因になったわけです。
膝を故障して休場した89年の7月場所、師匠の紹介で日大板橋病院で改めて検査を受けたんです。すると、血中の酸素濃度が極端に低いという結果が出ました。医師からは「これでよく相撲を取っていましたね」と言われ、聞けば、心臓に負担がかかっていてポックリいく可能性もあるとのことでした。