歌手・米良美一さん(44)くも膜下出血
■後遺症の水頭症で2度目の手術に
1度目の手術は知らないうちに済んでいたのですが、くも膜下出血の後遺症のひとつである水頭症になってしまい、結果的に2度の手術をしました。水頭症は、髄液の流れが停滞して脳にたまる病気で、くも膜下出血の術後によくあるそうです。しばらくは管を通して頭から外へ髄液を排出していました。しかし、意識がはっきりしない状態が2週間ぐらい続き、このまま様子を見るか、手術かの二者択一を迫られる状況になりました。手術を決断したのは僕の母です。
手術は、髄液を正常に体の中へ流す“シャント”と呼ばれる2~3センチの機械を頭に入れるというものでした。頭の中に機械だなんて、サイボーグみたいでしょう?
でも、その手術は頭に開けた小さな穴から手探りで行うものらしく、医師の勘だけが頼りと聞かされ、僕も僕の周囲の人たちも難しい選択を迫られました。
手術を決断した母は、たとえ大きなリスクを伴う手術であっても、僕が元気になることを信じて先生の手術に懸けたのです。あれは“母の野性の勘”のなせる業(笑い)としかいいようがありません。医師から説明を受けた時、「やってください!」って即答していました。