歌手・米良美一さん(44)くも膜下出血
入院生活は特に苦になりませんでした。僕は先天性骨形成不全症という病気で、10代の頃は骨折で入院ばかり。慣れっこなんです(笑い)。
もちろん、不安はありました。立てるだろうか、歩けるだろうか、一人で暮らせるだろうか……と。
しかし、術後はメキメキ回復して3カ月で退院。その半年後にはコンサートができたんですから、母をはじめ、お医者さまや看護師さん、心配してくれたスタッフや温かいファンの皆さまに感謝するばかりです。
入院中のリハビリは筋力をつける運動面と、パズルや漢字練習など頭脳面の両方を同時進行していました。今も自宅にリハビリの先生に来ていただいて、階段の上り下りやマッサージ、昔からバランスが悪かった左右の脚の筋力の調整などに励んでいます。
歌だって、初めは思い通りの声が出ないもどかしさとの闘いでした。でも、焦っていいことはないとひたすら我慢。少しずつ少しずつ、声を取り戻す作業を繰り返しました。
何でもそうだと思うのですが、自分が闘う相手はいつも自分です。他人を攻撃しているうちは、自分が恵まれていることに気づかない。闘うべきは自分だと思うようになると、周りの見え方って違ってきますね。