始まりはK-1時代 角田信朗さんは過食症に10年悩んだ
知恵を絞り尽くして、最後にはその選手が所属する陸軍にも一筆もらって「これでもビザが下りないなら辞職しかない」と思い詰めたほど。結果的に「今回は特別」ということでビザが発行されたときは「ヤッター!」という思いで泣きました。
そのテンションで館長に電話すると、びっくりするほど冷静に「角ちゃん、やればできるやん。ご苦労さん」の一言で終わり。またまた「くそーっ!」と思いました(笑い)。
まあ、いろいろありました。でも“やればできた”わけで、いい経験だったと今は思いますが、当時は数限りない理不尽な注文にひたすら耐えていたので、そのはけ口が必要だったんです。
私が陥った「過食嘔吐」は、嘔吐するときがある種の快感なんです。その快感を味わうために過食していました。苦しくなるまでひたすら食べて、それを一気に吐き出すことで心の苦しみも一緒に出ていくような感覚に酔っていたんです。
「このままじゃいかんぞ」と思い始めたのは、40歳になって血糖値が上昇してきたころです。医者には行かず、まず手始めに、夜に糖分や炭水化物を取らないようにしました。すると血糖値が徐々に下がっていったんです。過食も自力でなんとか食い止め、さらに、1年ほど前から始めたボディービルのために、完全な食事管理をするようになったら、見事に健康体になりました。