リウマチ予防で注目 「女性ホルモン」補充療法の可能性

公開日: 更新日:

 また、関節症状があり、抗CCP抗体が陽性で、閉経を迎えていない女性には、低用量ピルを処方している。

 この十数年の間に約2000例にHRTを実施し、月間平均250例の治療実績がある。HRTやピルによって数カ月で関節の症状は消える。リウマチへ移行する患者は、この15年で3~4例しかいない。

 HRTを行わない医師は「乳がんや子宮体がんのリスクがある」と主張している。しかし、これまで乳がんの発症例は1例、年間2~3例に性器からの不正出血が見られたが、念のため調べた子宮体がん検査では、がんはなく、子宮内膜肥厚のみであったという。

■エストロゲンに自己免疫疾患を抑える作用が

 では、なぜ関節の痛みなどにHRTが有効なのか?

 宮地医師が着目したきっかけは、リウマチが疑われる患者に抗リウマチ剤や生物学的製剤などを2カ月間投与しても良くならなかったことだった。

 しかしこの患者が、更年期の不定愁訴に対するHRTを受けたところ、関節痛が緩和。その後もHRTを続け、関節症状はなくなった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド