遺伝子変異の有無で予防策が 卵巣がん治癒率アップのカギ
対象者は2009年から11年の間に受診した卵巣がん患者102人。すると、家族に卵巣がんがいる人は10人に1人、乳がん患者がいる人は約5人に1人、卵巣がんと乳がんの両方がいる人は25人に1人だった。
「遺伝子変異が疑われる人は二十数人。この中から6人が遺伝子検査を受けてくれたのですが、6人ともBRCA1あるいはBRCA2の遺伝子変異が判明しました」
国内外の研究から、「卵巣がん・乳がんの家族歴があるとBRCA1.2遺伝子変異が約40%で陽性」「BRCA1.2遺伝子変異があると卵巣がんのリスクが20~40倍に上昇」といったことが明らかになっている。言い換えれば、遺伝子変異があることが事前に分かれば、予防策を講じられるということだ。
今の段階で私たちが知っておくべきことは、次の3点になる。
■HBOC診療
HBOCかどうかを調べる。家族に卵巣がん・乳がんの患者がいる、卵巣がん患者、若年性乳がん患者、両側性乳がん患者、男性乳がん患者などいくつかの項目があり、該当する場合は遺伝カウンセリングを受ける。その上で、BRCA1.2遺伝学的検査が必要かどうかが検討される。