遺伝子変異の有無で予防策が 卵巣がん治癒率アップのカギ
「すでに発症している卵巣がん患者も対象に含まれます。また、若年性・両側性乳がん、男性乳がんは、そのものが遺伝的リスクが高いと評価されます」
■リスク低減卵巣卵管摘出術(RRSO)
卵巣・卵管を摘出する手術だ。
「卵巣がんを発症していない人でBRCA1.2の遺伝子変異が見つかれば、RRSOが推奨されます。海外の研究では、RRSOを行うと、行わない人に比べて卵巣がん発症リスクが80~90%低減、乳がんが50%低減、総死亡率が60%低減といった報告があります」
ただし、生殖能力を失う、自然閉経により心血管疾患リスク上昇、保険適用外による医療費の負担などいくつかの問題もある。たとえRRSOを選択しなくても、そのまま“放置”とはならない。経口避妊薬の服用など、利益・不利益を十分に話し合い、ベターな道を探っていく。
■PARP阻害剤
遺伝子変異を修復する作用のある新薬の開発が進められている。
「BRCA1.2の遺伝子変異がある卵巣がんに対し、高い効果を発揮します」
承認はまだだが、治験参加ということでPARP阻害薬の治療を受ける手はある。