【慢性血栓塞性肺高血圧症】東邦大学医療センター大橋病院・循環器内科(東京都目黒区)

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 ひどくなると意識を失ったり、突然死する場合もある。硬い組織化した血栓がこびりついているので、CT検査をしても最初からシーテフを疑って専門医が読影しないと血栓があるように見えない。そのため、見逃されやすい。放射性物質を静脈注射して撮影する「肺血流シンチグラフィー」を行うとハッキリ診断できるという。

■10日前後の入院後は外来通院で済む

 最も効果的な治療は外科手術だが、人工心肺を用いて肺動脈を切り開いて、こびりついた血栓をはがす大手術になる。

 高齢者や持病のある人は手術関連死のリスクが高く、手術自体を嫌がる人も少なくない。次の選択肢がBPAだ。

「いまBPAは、日本が世界をリードする治療法として定着しています。格別に技術の難易度が高いというわけではありませんが、心臓カテーテル治療ができる医師でも肺の解剖や合併症を十分理解していないと危険なのでできません」

 全国でも年間50件行っている医師は10人ほどしかいないという。

 具体的には、同科の場合は局所麻酔で首の静脈からカテーテル(細い管)を挿入する。そして心臓を越えて肺動脈に進め、血栓で狭くなっている部分に到達したら、先端のバルーンを膨らませて広げる治療法だ。

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