堤下も発症 長引く「じんましん」と手を切れる新薬の効果
「特定の刺激であれば、それを避けていれば、じんましんは起こりません。一方、特発性じんましんは自然に出るので避けようがなく、原因というより悪化因子があり、ある人は疲れ、ある人はストレスで症状が出る。悪化因子に気を付けるとともに、薬物治療が必要です」
特発性じんましんの治療は、①抗ヒスタミン薬②補助的治療薬(漢方薬・抗不安薬・H2拮抗薬・抗ロイコトリエン薬など)③副腎皮質ステロイド④免疫学的治療などの4段階で進められる。
ところが、②~④の大部分が保険適用外。加えて②の一部の薬と、③と④両方の治療は、重篤な副作用のリスクがある。つまり、「いかに抗ヒスタミン薬をうまく使うか」が重要になってくるが、慢性例では治療成績があまり良くない。
研究によれば、発症後1カ月以内の急性じんましんで、発症後1週間以内に医療機関で治療を開始すると、1週間以内に73%、4週間以内に85%、1年以内に93%の患者が治る。
「ところが、一部は慢性じんましんに移行します。発症後6週間以上経過し、1種類の標準量の抗ヒスタミン薬で症状が消えない場合は、1年経っても治癒率は10%超なのです」