専門医に聞いた 血糖値が気になる人の酒の飲み方○と×
お酒を飲む日の朝食や昼食を軽く済ませる人がいるが、やめた方がいい。血糖値スパイクにより、血管を傷つけるリスクが高くなる。
「食べていなかった分、ここぞとばかり飲み食いすると、糖分を一気に大量に吸収することになり、食後血糖値が短時間で急上昇してしまいます。その後、正常値に戻りますが、この血糖値の急上昇・急降下の繰り返しが、血管の壁の細胞から活性酸素を大量に発生させて血管の内壁を傷つけるのです。それを修復するために集まった免疫細胞が壁の内側に潜り込んで、血管を硬く、狭くすることになります」
その結果、全身に酸素や栄養を運ぶパイプの役割をする動脈が細くなる。さらには血流をスムーズに流れるよう手助けをする動脈の弾力性が失われ、最悪、脳梗塞や心筋梗塞などを起こすことになる。
「お酒を飲むときはひと所に座って飲むのもよくありません。お酌をしたり、店を替えるなどして胃腸に集まった血液を分散させることが血糖値の上昇を抑えることにつながります」
お酒を飲んだ後、締めにお茶漬けやラーメンなどを食べたくなるが、これは絶対やめるべきだ。
「必ず血糖値が急上昇します。どうしても腹を満たしたければ、茶碗半分のご飯をサバの水煮の缶詰と一緒に時間をかけて食べるのも手かもしれません。サバの油にはインスリンの作用を助ける働きがあるうえ、即効性があるので血糖値の上昇を抑えてくれる可能性があります」