子供の近視が気になる親必読 オルソケラトロジーとは何?
さらに、これまで未成年にはオルソの使用を推奨していなかった日本コンタクトレンズ学会が、昨年12月から「慎重処方」を条件にガイドラインで正式に未成年の使用を認めた。これで、ますますオルソが普及していくだろうとみられている。
早い段階からオルソを採用してきた「清澤眼科医院」(東京・江東区)の清澤源弘院長が言う。
「当院ではこれまで50人以上の患者さんにオルソを装用してもらい、そのうち40人が今も使用中です。多くが小中高生で、20歳以上はほとんどいません。子供の方が角膜が軟らかいのでレンズとの相性が良く、使い始めてすぐに効果が表れるのです。成人の場合、日中に回復していた視力が夕方になると落ちて見えにくくなり、普段かけているメガネも合わないから困ってしまったというケースを耳にします」
■強度近視まで進行させない
子供のオルソ治療のメリットは、日中の視力回復だけではない。「近視の進行が抑えられる」効果が期待されているのだ。ある報告では、オルソ使用とメガネ使用の子供43人を対象に近視の進行度を比較したところ、オルソの子供の方が近視につながる眼軸長(眼球の奥行き)の伸びが3割ほど抑制できたという。海外でも、「オルソケラトロジーが将来の失明リスクを伴う強度近視発生を防ぐ可能性がある」と報告されている。