<5>家事を手伝う 味噌も“寒仕込み”で手造りした
「妻は自然食品志向でしたので、味噌や梅干しも自家製でした。味噌は“寒仕込み”で、真冬の2月に造るのですが、大きなずんどう鍋で煮た大豆を細かくつぶすのが僕の役目でした。妻の場合、添加物は一切使わずに作るのが特徴です。そのうち、自分でも作ってみたらどうなるかと思い、実際にカレーとか肉野菜炒めのような簡単なものから作ってみたら、意外にできるものだと気付いた。そうこうするうち、メニューのレパートリーも増えていきました。やはり作った料理を『おいしいね』と言われるのはうれしいもので、その気持ちが分かったからこそ、妻の料理も素直に褒められるようになったのです」
料理については、佳江さんに厳しくダメ出しされた思い出も残っている。小宮さんが冷やし中華に挑戦した時、きゅうりを縦に3等分にしてから真っすぐに細切りしたという。それを見ていた佳江さんは、緑と白の色がバラバラになると指摘。確かに、彼女に言われたように初めに大きな断面の斜め輪切りにしてから縦に細切りにすると、上にも下にも緑が残る、見た目のいいきゅうりの細切りが完成した。
「今では友人らを自宅に招いて、食事をごちそうできるまでになった。食器洗いという、よい癖をつけてもらったことにも感謝しています」
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何も訓練せずに一人残されていたら、今頃は家事に右往左往していたに違いない。 (※編集部注)
=つづく