妊娠を希望する女性患者は弁を交換する再手術が必要だった
今後、心臓疾患を抱えながら妊娠・出産を望む女性は増えるでしょう。ただ、いまの心臓治療の「EBM」(エビデンス・ベースド・メディスン=科学的根拠に基づいた医療)が、そうした患者さんの希望に完全に合致しているかというと疑問があります。「妊娠・出産のためだけに心臓病を治す」というパターンは、これまでの単独の心臓疾患に対するエビデンスとは異なっているのです。個人の希望を尊重する医療という観点から考えると、EBMを少し見直さなければならないかもしれません。
産科医、循環器内科医、心臓外科医といったそれぞれの専門医の意見を集約して、バランスの取れた総合的な指針を作っていく必要があるのではないかと考えています。