男性に罹患が多い理由のひとつ Y染色体を失うとがんになる
しかし、細胞ががん化した結果なのか、それとも原因なのかは分かっていませんでした。それがこの研究によって、どうやらY染色体の喪失が、がん化の原因のひとつではないか、ということになってきたのです。
また最近、同じスウェーデンの研究チームが、Y染色体喪失とアルツハイマー病の関係を論文にまとめて発表しました。Y染色体が減るほど、アルツハイマー病のリスクが上がるというのです。
Y染色体は胎児を男子にする働きだけを担っていると考えられてきたのですが、どうやらその常識の転換が迫られているようです。まだ詳しいメカニズムは分かっていませんが、Y染色体は男性を重大な病気から守る役割を担っているらしいのです。
ちなみに女性(XX型)は、まったく異なるメカニズムで病気から守られていますが、それは次週に回しましょう。
そんな大切なY染色体を、われわれ男性はどうやって守っていったらいいのでしょうか。残念ながら、いま分かっているのは、「喫煙者ほどY染色体が失われやすい」ということだけです。気になる人は、きょうからでも禁煙を始めてみてはいかがでしょうか。