【耳】耳かきの回数が少ないからアカがたまるは大ウソ
「耳アカがたまっている人で、お風呂や水泳の後に聞こえが悪くなって、突発性難聴ではないかと思って受診する人が時々います。耳アカが水で膨張して詰まってしまうのです。このような人の多くは、耳かきの頻度が少ないから耳アカがたまるのではなく、むしろ逆。やり方の悪い耳かきを頻繁にやって、耳アカを耳の奥に押し込んでしまっているのです」
外耳道は約3センチあり、耳の入り口に近い方の軟骨部と鼓膜に近い方の骨部に分かれている。軟骨部は皮下組織が厚く、耳毛、耳垢腺、皮脂腺などがある。骨部は骨の上に皮膚が覆っている構造で、とても敏感で、傷つきやすい特徴がある。
外耳道の皮膚の細胞は、鼓膜の方から耳の入り口に向かってゆっくり移動している。そして、入り口から1センチくらいのところへ来ると、細胞がはがれ、耳垢腺から出る分泌物やホコリなどと混じり合ってできるのが耳アカだ。この皮膚の代謝サイクルの期間は1カ月くらい。自然に外に排出されるので、頻繁に耳掃除をする必要はないのだ。それでも、耳かきしたい場合は、どのような器具を使うのがいいのか。
「金属製は傷つきやすいのでお勧めできません。選ぶなら弾力性のある竹製のものです。綿棒は耳アカを押し込んでしまいますし、固く巻いているのでよくありません。耳かきは、やっても月1回くらい。耳の入り口付近を軽くかく程度で十分です」(大河原院長)