<9>日本人は相対的に安全の文化を持っている
にもかかわらず、日本人に感染者が少ないのは、相対的にウイルスに感染しにくい安全な文化があるからではないか。実際、2003年にSARSが流行したときも世界中で8000人以上の患者が報告されたが日本人はゼロだった。それを生活や行動の違いだと厳密に証明はできないが、その理由を考えるうえで、行動様式の違いを考えることは重要だろう。
「欧米人はパンを手づかみで食し、土足で部屋を動き回るために靴底についたウイルスが部屋で乾燥してホコリとなって舞い上がり、それを吸い込んで感染する可能性があります。しかも、挨拶で握手やハグをして接触感染を起こしやすい。一方、日本人は握手の代わりにお辞儀をし、家では靴を脱ぐ。常に手を洗い、お風呂に入る。食事に箸を使い、おにぎりやお寿司以外で手づかみで食べることはありません」
もうひとつ、人間に特徴的な感染ルートは性交だ。人間は服を着るので、動物よりも体同士の接触は少ないが、直接の体の接触でうつるのが性感染症だ。
「しかし、日本人のコンドーム使用率は世界1位。世界一清潔なセックスをしている民族なのです」