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関由佳医師・料理家

専門は内科、予防医学。2013年ニューヨークの料理専門学校(Natural Gourmet Institute)で資格取得。著書に「毎日食べたい!腸活みそレシピ」ほか

ナスにはむくみを予防するカリウムがタップリ!

公開日: 更新日:

ナスのみそマリネ

 梅雨のこの時季、雨でジメジメして気分が優れないのに加え、体調まですっきりしない方も多いのではないでしょうか。梅雨時の連日の雨で気温が下がることを「梅雨冷え」というように、実はこの時季、体も同様に冷えやすく、内臓も冷えるため消化力が落ちやすくなっています。

 さらに、食欲不振になってしまうと体力が落ち、そのまま暑い夏を迎えてしまえば夏バテ症状を招くことになってしまいます。夏バテを予防するためには、いまの時季をどう過ごすかがとても大事なのです。

 まず、冷えの原因と対策です。私たちの体は汗をかいて体温を調整していますが、湿度が高いとうまく汗が蒸発せず、体内の水分の循環が悪くなります。それがむくみやだるさにつながります。さらにデスクワークでの座りっぱなし、店頭業務での立ちっぱなしなどで、長時間同じ姿勢を続けていると、血流が悪くなる原因となります。

 太ももやふくらはぎは心臓へ血液を戻すポンプの役割があるので、ストレッチや軽いウオーキングで血液の循環をよくすることが大切です。私も梅雨時の晴れ間には、近くの浜辺に出て体を動かしています。

 また、梅雨の時季は雨で低気圧の日が続いたり、急に晴天が続いたりと、天気や気温の変化があまりにも急激で、交感神経と副交感神経のバランスが乱れやすくなります。交感神経が活発になれば、血管が収縮し、頭痛腰痛、関節痛といった痛みの症状の要因になります。くもりや雨の日、気温が上昇する日は副交感神経が優位になり、血管が拡張し、眠気やだるさの要因となります。

 ですから、湿度が高く、気温が急変するそんな梅雨の時季には、無意識のうちにそうめんや冷ややっこなどさっぱりとした冷たいものなどを食べる機会が増えます。

 この時季に出はじめる夏野菜も体を冷やす働きがあります。しかし、冷たい食べものの取りすぎは胃腸の働きを弱くしてしまうため、内臓冷えの原因になり、食欲不振や基礎代謝の低下につながります。そこで救世主となるのが「みそ」です。

 みそは消化のよいタンパク質やミネラル、ビタミンを含み、腸内環境を整える作用があり、代謝を高めて体を温める働きがあります。実は腸内環境と自律神経には相互作用があるといわれており、腸内環境を整えることで自律神経のバランスも整いやすくなります。

 また、体を冷やす夏野菜を食べるときにはみそやショウガ、にんにく、ねぎなど体を温める食材を組み合わせると、内臓の冷えの予防となります。ぜひ、この時季の体調管理にそれらの食材を上手に取り入れてみてください。

紫色の皮はポリフェノール

 今回の腸活レシピは冷たくしても温かくてもおいしい、ナスのみそマリネです。ナスにはむくみを予防するカリウムが豊富で、皮の紫色の色素はアントシアニンというポリフェノールがたっぷり! 皮ごとおいしくいただきましょう。

《材料》(2人分)
ナス 2本
みそ 大さじ1
みりん 大さじ1
酢 大さじ2
ショウガすりおろし 小さじ1
ごま油 小さじ2
薬味(しそ、ミョウガなど)

《作り方》
(1)フライパンにごま油をひき、ナスの皮の面を下にし、フライパンに蓋をして蒸し焼きにする。
(2)ボウルにみそ、みりん、酢、ショウガのすりおろしを入れ、混ぜ合わせる。
(3)蒸し焼きにしたナスが温かいうちに②に加え、少し冷ましてから冷蔵庫に2時間入れておく。
(4)薬味をのせて召し上がれ(温かいままでもおいしい)。

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