死亡率8割の脳出血を乗り越えた俳優の野崎ゲレーロ聡史さん
透析時間を短くしたいと考える人もいますが、僕はたっぷり時間をかけることで心臓への負担を軽減して、長く元気な野崎でいたいと思っています。毎回、ゲームをしたり映画を見たりできるので、むしろ趣味の時間が延びたと受け止めています。
病気をして感じたのは、「1日は一生分。明日があるという保証はない」ということ。若いからとか、高齢だからとか関係ないんですよね。人はいつどうなるかわからない。だから病気があっても楽しく生きたいですし、入院中に出会った重い病気の子供たちのことを思うと、「ヘコんでいる場合じゃないな」と前向きになれました。
おかげさまで、今はとても元気です。2週間に1回の血液検査の数値は安定していますし、2~3年前に撮った脳のMRI検査の画像もとてもキレイで、「あの時の脳出血、どこ行ったんだ?」って笑ってしまうくらいです。
(聞き手=松永詠美子)
▽のざき・げれーろ・さとし 1983年、山口県生まれ。18歳の時に俳優を目指して上京。アルバイトをしながら映画のオーディションを受ける。Vシネマなどに出演したのち、2008年にNHK土曜時代劇「オトコマエ!」に出演を果たす。09年の舞台稽古中に倒れ、実家の山口で5年間療養。30歳で再び上京し、現在はCMやテレビなどで活躍中。今年出演した「有吉ダマせたら10万円」(フジテレビ系)では、ナオト・インティライミの弟(ウソ)として登場し話題になった。