著者のコラム一覧
東丸貴信東邦大学名誉教授、平成横浜病院健診センター長

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

欧州は1日15万人の新規感染 PCR検査は受けるべきなのか?

公開日: 更新日:

 欧州では1日の新規感染者数が15万人を超え、第2波の襲来と大騒ぎしています。その原因は、欧州の友人医師が嘆いているように、マスクの着用、社会的距離の維持といった感染予防のルールを守らない風潮のためであり、日本が欧州と同じ状況になる可能性は高くないと考えています。

 とはいえ日本も油断すれば第2波襲来のリスクがあります。今、何に注意すべきなのでしょうか? まずPCR検査について考えてみましょう。

 PCR検査は検査時点での感染の有無を知るだけで、その後すぐに感染するかもしれないために検査の意味はない、という人がいます。あるいは、PCR検査はウイルスの断片を調べるので、現在の状況すら表していない、という意見もあります。

 だからといってPCR検査が無意味とは思いません。感染リスクの高い人は症状にかかわらず検査を受け、無症状者や軽症者は自宅や施設で待機、中重症者は治療を受けることが感染抑制につながると考えます。

 その意味で、世田谷区が「無症状でも感染拡散を起こしやすい職種の区民にPCR検査を無料で行う」と宣言したことは一定の評価をすべきだと思います。宣言には、無症状でも介護事業所や保育園などで働く職員、特別養護老人ホームなどの施設入所予定者が対象で、さらに陽性者へのフォロー体制の拡充も盛り込んでいます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」