がんを見ながら放射線治療できる「メリディアン」は何が凄いのか?
メリディアンのメリットはそれだけじゃない。放射線による治療期間が短縮される可能性がある。正確に照射できることで、小さい腫瘍にも高線量で対応できる。
「放射線は通常、数週間にわたって行われます。問題は、その治療期間中に体重が落ちたり、治療が効いて腫瘍の縮小が生じた場合です。正確に放射線治療を行おうとすれば、改めて照射方法などを検討しなければなりません。これを適応放射線治療と言います。それを行うには治療計画を見直さざるを得ず、そのために数日を要する場合があります。しかし、メリディアンなら、毎回の治療ごとに患者さんのMR画像を撮影しているため、放射線の量や当てる方向を決めるための治療計画に、その画像をすぐに使用することができるからです。従来なら数日かかった治療計画も1日で終えることも可能です」
では、メリディアンは、どんながん患者にメリットがあるのか?
「近くに直腸があり、予想以上に動く前立腺がんや、呼吸によって動きの多い肺がんや肝臓がん・すい臓がんに効果を発揮するのではないか、と期待しています。また近年は、転移があってもピンポイントでの放射線治療により成績がよくなっており、このような患者さんにも適していると思います」