抗菌薬が効かない「耐性菌」の拡大を防ぐために心がけるべきポイント
抗菌薬は風邪の原因となるウイルスに対しては効かないが、それでも“お守り”代わりに処方してもらう人もいる。
■必要ない薬は使わない
また、ちょっとした歯の治療後などに感染症予防のためという理由で、とりあえず抗菌薬が処方されるケースもある。
「耐性菌の発生を防ぐためには、『必要のない抗菌薬は使わない』という意識を持つことが大切です。医療者側は感染症の原因菌に対して有効な抗菌薬を選択し、適切な量を処方する必要があります。原因菌がよくわからない場合、有効性の範囲が広く効き目が強い新しい世代の抗菌薬をいきなり処方するケースは減らすべきです。そのためには、患者さん側も詳しく症状を伝え、必要ない抗菌薬は処方してもらわない意識を持つことです。医師から薬を出してもらう際、どうしても使わなければならない抗菌薬なのかどうかを確認してみるのもいいでしょう」
抗菌薬は使用する量と期間をしっかり守ることも重要だ。症状が軽くなったからといって服用する量を減らしたり、途中でやめてしまうと、新たな耐性菌が発生するリスクが高くなる。
いざという時、有効な薬がなくなってしまう事態を避けるため、耐性菌対策を心がけたい。