原発不明がんの治療薬が世界初の承認 治療はどう変わるのか
原発巣が推定されれば、その推定原発巣に準じて治療を行う。原発不明がんの15~20%を占め、比較的予後がいい。
しかし残りの80~85%は原発巣が推定できない。こういった患者の標準治療は確立されておらず、抗がん剤治療の一種であるプラチナ併用化学療法か、臨床試験への参加か、症状緩和のみを行うベストサポーティブケア(BSC)か、のいずれかが行われる。
「原発不明がんの予後はばらつきがありますが、予後不良群では6~9カ月と報告されています。しかし今回ニボルマブについて、原発不明がんの適応拡大が承認された。これは非常に意義があることです」
■「生存期間6~9カ月」が延びる可能性
臨床試験では、腫瘍が30%以上に縮小することを治療の有効性を示す主要評価項目とした。予後不良の原発不明がん(抗がん剤既治療例45例、未治療例11例)のうち、既治療例の奏効率は22.2%、治療歴を問わない全体では21.4%と、ニボルマブの抗腫瘍効果が示された。