病名が重すぎて…看取り士会代表・柴田久美子さん語るがんとの闘い
願いがかなって、声を失うこともなく手術が成功したので2週間で退院し、通院もせずに看取りの家づくりに邁進しました。ちょうど入院中に島の集会場が競売に出されたのも奇跡なら、私が落札できたことも奇跡。私よりも高い金額を提示した人もいたんですけど、島が上限と下限を決めていたことで救われました。まさに「がんが私にくれたギフト」でした。
■2度目のがんは経過観察を選択
数年後、活動を鳥取に移して在宅支援を広めていく中で、知人から「顎下腺がんを手術した後、ほったらかしでしょ。一度検査してみたら?」と勧められ、12年に受けたエコー検査でわかったのが「甲状腺がん」です。
倦怠感ぐらいしか症状がなかったのですが、がんは甲状腺の周辺に点々と飛んでいて「手術は難しい」と言われました。2度目のがんですし、やはりショックは大きかったです。
でも、抗がん剤治療は受けたくなかったので経過観察を選択しました。「甲状腺がんの9割は何もしなくても治る」と書いてあるものを読んだので、それをよりどころに家族にもがんを伝え、治療しないことを伝えました。