お灸にもいろいろな種類があるのか? もぐさにはさまざまなタイプあり
みなさんはお灸と聞いてどんなお灸を思い描くでしょうか? むかし子どものころにおばあちゃんにしてもらった人や、薬局やドラッグストアで初めて簡易型のお灸を知った人など、お灸との関わりはさまざまでしょう。
お灸に使うのが、乾燥させたよもぎの葉から作られるもぐさ。そして、もぐさにもさまざまなタイプがあり、用途に合わせて使い分けます。
もぐさは純度が高いほど早く燃えますが、その場合は比較的低温のお灸となり、逆に純度が低いほど高温になり燃焼時間も長くなる特性があります。
そんなもぐさの特性を利用し、お灸のやり方を変えています。大きく分けて「直接灸」と「間接灸」に分かれます。
直接灸とは読んで字のごとし、直接肌にのせて行うもので、もぐさの大きさも、ゴマ粒から米粒くらいの大きさがあります。もぐさを燃やしきる「透熱灸」、燃やし切らずに8割ほどで火を消し、お灸の痕を残さないソフトな「八分灸」もあります。ウオノメやタコの患部にのせ、もぐさを高温で燃やし切り治療を促す「焦灼灸」などもあります。
次に「間接灸」。こちらはもぐさが皮膚に直接触れないお灸ですが、もぐさと肌の間に入るもので分かれます。
よく知られているのが、ショウガやニンニクといった薬効効果のある野菜をスライスして患部にのせ、その上にもぐさを置く「隔物灸」。その一種に、目に効果のある漢方エキスに漬けたクルミの殻の上にお灸を置いて温める「クルミ灸」は、気持ちいいと人気が高いです。
ほかに、皮膚に鍼を刺してその鍼の柄の部分にもぐさを付けて点火する「灸頭鍼」なんてものから、体に置いた蓋付きの箱の中でお灸を燃焼させる「箱灸」、点火した棒状の灸を手に持ち、皮膚に近づけて放射熱で刺激を与える「棒灸」といったものまであります。
それぞれ体を温め免疫機能を高めるなどの効果が期待できます。向き不向きがあるので、ご自身に合ったお灸を各鍼灸院でご相談されることをオススメします。