苦くて不味い…漢方薬の味が苦手な人はどうすればいいのか
昔から「良薬は口に苦し」と言うことわざがあるように、漢方薬は苦くてまずいのが当たり前……と思っている方は多いのではないでしょうか?
漢方薬は複数の生薬で構成されているのですが、これらの生薬は、植物、動物、鉱物などが原料。自然由来のもので、酸味、苦み、甘み、辛み、塩辛さを意味する鹹味の5種類の味を持っています。酸味だけの生薬もあれば、酸味と苦みなど2つ以上の味を持っている生薬もあり、生薬によってさまざまです。
また漢方薬は処方によって、独特な気味(味とにおい)を醸し出しており、それによってあの漢方薬独特の味が生まれているわけです。
中でも土瓶や土鍋で水に入れ火にかけて煎じる「煎じ薬」は、生薬の原料をそのまま煎じてできた液体を飲むため、最も飲みづらいものです。
この最も飲みづらい煎じ薬を飲みやすくするには、蜂蜜または牛乳などを少し加え、少量ずつ数回に分けて飲むとか、また冷たくなると苦みを感じやすくなる傾向があるため、ぬるま湯で飲んでみたりするなどです。
一方エキス剤は煎じ薬ほどではないにしても、生薬由来の独特な風味があり、それを「苦手な味」と感じる人もいるでしょう。
そのために、事前にさゆを用意し、まずはさゆを口に含んでからエキスを飲み、その後にさらにさゆを飲んだり、またエキス剤をさゆに溶かして、少し蜂蜜を加えて飲んでみたり、さらにエキス剤をゼリーに直接混ぜるなどの工夫をすることで、飲みやすくなります。それでも飲めないとおっしゃる人は、ひょっとしてその漢方薬がその人に合っていないのかもしれません。多くの場合その人の体質に合っていれば、それほどまずいと感じずに比較的楽に飲めるケースがあるからです。
したがって、上記の対処方法を試しても、なお飲めない場合は、医師や薬剤師に相談して、漢方薬を変えてみることをお勧めします。