外傷による死亡リスクが高いO型は、なぜ血が止まりにくい?
血液凝固には2系統あります。ひとつは血小板。血管が破れると、駆けつけて積み重なり、穴を塞ごうとします。しかしこれは、川の決壊箇所に石を積むようなものなので、出血を完全に止めることはできません。
そこで登場するのが、もうひとつの系統であるフィブリンタンパク質です。こちらは通常は血液中に溶けていますが、出血があると、凝固因子と呼ばれる物質の作用によってフィブリン分子が絡まりあって線維状になり、血小板の隙間を埋めてかさぶたをつくります。速乾性のセメントのような働きをするわけです。血小板とフィブリンが連携して初めて、効果的な止血が可能になるのです。フィブリンが固まるためには、凝固因子が欠かせません。これには13種類あります。ところがO型の人は、血小板は正常なのですが、凝固因子に関係する物質が非O型より少ない傾向にあるのです。そのため非O型よりも、血が止まりにくいのではないか、と考えられてきたわけです。