著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

秋野暢子さんは診断まで半年超 喉の受診は耳鼻科と消化器科をセットで

公開日: 更新日:

 一口にのどといっても咽頭や喉頭の異常もあれば、食道の異常もあります。どちらのがんでも、のどの違和感として自覚しやすいので、耳鼻科を受診して咽頭や喉頭に異常がなければ、今度は消化器科を受診して食道を調べること。どちらが先でも構いませんが、最初の受診で異常がなければ、もう一方を受診して調べてもらわないと診断の遅れにつながります。どちらか一方では、不十分なのです。

 秋野さんは昨年12月にのどの違和感を訴えてから食道がんと診断されるまで半年以上かかりました。昨年12月に最初の異変を感じたときに、ネット情報から自律神経の異常と判断されましたが、あの時点で耳鼻科と消化器科で丁寧に検査を受けていれば状況は大きく変わっていたはずです。

 秋野さんは、腫瘍マーカーを調べ、それらが正常だったことで、後日、「腫瘍マーカーでは分からないがんもある」と振り返っています。その背景には、“腫瘍マーカーでがんを診断できる”という誤解があるためでしょう。

 皆さんも、この誤解を持っている人が多いはずで、この誤解はすぐに解いてください。

 腫瘍マーカーががんの診断に役立つのは前立腺がんのPSAと肝臓がんのAFPくらい。多くのがんは、腫瘍マーカーでは分からないと考えるべきです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」