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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

斎藤洋介は検査で 咽頭がんを歯科医に見つけてもらうコツ

公開日: 更新日:

 突然の訃報に驚いた方もいるでしょう。今月19日に咽頭がんで亡くなった俳優・斎藤洋介さん(享年69)は、自宅で妻と夕食を取った後に体調不良を訴え、救急搬送されたといいます。搬送中に心肺停止状態になったようですから、容体の急変ぶりがうかがえるでしょう。

 報道によると、今年7月初旬に歯科医でインプラントの検査を受けたところ咽頭がんが発覚。すぐに手術で腫瘍を摘出した後は自宅で療養し、1週間ほど前から放射線治療を受けていたといいます。

 亡くなる前の日まで自分で通院しながら、事務所の関係者には「病気を治して、無理しない程度に仕事も前向きに頑張る」と語っていたようですから、がんの診断直後に見られやすい自暴自棄になっていた様子はうかがえません。

 さて、斎藤さんは歯科医で咽頭がんが見つかりました。咽頭は、鼻の奥から食道までの筋肉と粘膜でできた管で、歯科医が目視で確認できたことからすると、口の奥の突き当たり周辺の中咽頭とみられます。

 さらに術後に放射線治療を追加したことを加味すると、恐らく早期ではないでしょう。ステージ3か4だと思われます。そうだとすると、あくまでも推測ですが、腫瘍は分類上、少なくとも4センチを超えているか中咽頭周辺の舌やあごの筋肉などに広がっていたかもしれません。

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