著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

秋野暢子さんは疑問を投稿 がんのステージは進行度、では余命との関わりは?

公開日: 更新日:

 国立がん研究センターは2020年、全国がんセンター協議会に加盟する32施設の14万2947例を対象に5年生存率を公表。全部位・全病期では68.4%でした。

 部位別にみると、胃がんのステージ1は97.2%ですが、ステージ2で62.8%に低下。ステージ3では49.0%に下がり、ステージ4で7.1%と10%を下回っています。大腸がんのステージ1は98.8%で、ステージ2は90.3%に低下。ステージ3は83.8%、ステージ4は23.1%とほかのがんほど悪くありません。

 一方、肝臓がんは数値が悪く、ステージ1で62.3%。ステージ2で37.3%だったのがステージ3では14.8%にダウンし、ステージ4では0.9%です。

 早期といわれるステージ1でも、がんによって5年生存率の違いが大きいことが分かります。共通するのは進行するほど数値が下がること。どんながんであれ、なるべくステージ1までに見つけて治療するのが、がん治療医が勧める上手ながんとのつき合い方といえます。


 告知をどこまでするかは微妙な問題ですが、認知症の方は別として、がんと診断されればステージは伝えなければならないでしょう。ただし、余命については、参考程度でいいと思います。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」