余命数週間…ファミレスで餃子を食べてビールを飲んで
カンファレンスの中で患者さんから、ご家族で会社を経営されており、経理を担当されている娘さんが困らないようにしてもらいたいという希望が出されました。そのため、そこまで悪いと思っていらっしゃらないご本人に、あと数週間という余命を受け止めていただきました。娘さんのことを考えたら病院でのホスピスもいいかなと一時はおっしゃっていましたが、娘さんから「家でいいよ」と言われ、ご自宅で最後まで過ごすということになったのでした。それでも実際にお会いすると、気丈に振る舞う娘さんには動揺が隠しきれないご様子。
「病院の先生からはどのように説明を受けていますか?」(私)
「次にがん細胞を抑えられる一手がないってお話を聞いて、それだったら家で診られる医療にして好きなもの食べて家族で過ごした方がいいって。今元気ですが急変ってこともあるんでしょうかね?」(娘)
「そうですね。がんの場合、落ち着いていて急激にストンっときてしまうことがあるんですよね。予測が難しい部分があります。でもそんなに気を落とさず。身近な目標を立ててほしいんですよね」(私)