余命数週間…ファミレスで餃子を食べてビールを飲んで
患者さんが病院から退院し在宅医療に切り替える前、病院側と私たちとの間で、患者さんの状態や情報を共有するための会議を催します。これを私たちは「カンファレンス」と呼んでいます。
この会議の目的は、スムーズな引き継ぎに加え、問題点や注意点を各担当者が報告し合い、協議しながら、より良い支援方法を検討するためでもあります。
最近は、新型コロナの影響もあり、ネット通信を使ったZoomでカンファレンスを行うことが少なくありませんでした。当初はZoomによる対話では、患者さん側の要望を受け止めきれるのかと一抹の不安もあったのですが、実際に使ってみるとそれらは杞憂。むしろ患者さんにとっての利便性の拡大をより図れ、これからの在宅医療の可能性を広げるツールになるのではと考えています。
最近もZoomを使い、患者さん側と病院、私たち3者で話し合いをした末、在宅医療を開始された患者さんがいます。急性骨髄性白血病を患う69歳の男性で、長男、長女との3人暮らしです。
急性骨髄性白血病は、骨髄中で白血球に分化する過程の未熟な細胞「骨髄芽球」に異常が起こり、がん化した細胞が骨髄で異常に増える病気。中でも、造血の過程でみられる細胞のひとつ、前骨髄球に異常が起こった場合を「急性前骨髄球性白血病」といいます。