ワインには老化抑制で注目の「抗糖化作用」がある 同志社女子大薬学部教授が研究結果を発表
「すると研究期間の前半(6月上旬から7月中旬)では、ワイングループではAGEsが減少する傾向が見られました。水グループではAGEsが上昇しました」
紫外線が強い後半(7月下旬から9月中旬)では、水とワインとのグループで差はなかった。ただし、一般的に女性は男性より紫外線対策に熱心。そこで女性だけに限ると、ワインを飲んだグループでは有意にAGEsが減少した。
また、正常便と便秘のグループの比較では、正常便でAGEsが減少する傾向が見られた。さらに交感神経が有意に活性したグループ(=ストレスグループ)ではAGEsの変化はなかったが、正常グループではワイン摂取でAGEsが減少する傾向が見られた。
「これらの結果から言えるのは、ワイン全般に抗糖化作用があり、特に一部の赤ワインでは希釈しても高い効果を得られるということ。しかし、紫外線、便秘、ストレスといった糖化を促進する因子があると、ワインの抗糖化作用は弱まる可能性があるということです」
ワインは品種、生産地、生産年の気候、造り手、醸造期間など、条件で味わいも変わるが、抗糖化作用の強さも変わる。今後は各ワインの抗糖化作用を調べ、それが一定基準を超えるものについては、消費者に伝えられるようにしていきたいと、杉浦教授は話す。