白髪を科学する(4)病気の治療薬で「毛髪の再着色化」が報告されている

公開日: 更新日:

 白髪を治す薬剤は今後も期待できないのか? 資生堂リサーチセンター(研究所)で主に薄毛、白髪の研究に携わってきた日本毛髪科学協会役員の出田立郎氏が言う。

「現時点でできていない理由は、①白髪は病気でなくカラーリングで解決できるため専門家が少ない、②研究費が莫大、③開発に成功しても白髪を元に戻す効果は薬機法上の医薬外部品で定められた育毛剤や脱毛症治療薬の領域外なので販売が難しい、などが挙げられます」

 また、色素細胞は体中に分布しており、髪の毛の色素細胞に作用する薬剤を作ると、それ以外の色素細胞が暴走してがん化する懸念もある。

 では可能性がゼロかといえば、そうではないという。

「元の髪色に戻る現象を『HR』(Hair Repigmentation=毛髪の再着色化)と言いますが、前回もお話しした通り、近年の症例報告からHRへの方向性はある程度わかりつつあります」

 たとえば、ビタミンB12の欠乏は手足のピリピリ感や感覚消失などの神経症状と共に白髪が認められるが、治療薬によるHRが複数報告されている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松本潤、櫻井翔、相葉雅紀が7月期ドラマに揃って登場「嵐」解散ライブの勢い借りて視聴率上積みへ

  2. 2

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  3. 3

    キンプリが「ディズニー公認の王子様」に大抜擢…分裂後も好調の理由は“完璧なシロ”だから 

  4. 4

    低迷する「べらぼう」は大河歴代ワースト圏内…日曜劇場「キャスター」失速でも数字が伸びないワケ

  5. 5

    巨人のW懸案「ポスト岡本和真&坂本勇人」を一気に解決する2つの原石 ともにパワーは超メジャー級

  1. 6

    早期・希望退職の募集人員は前年の3倍に急増…人材不足というけれど、余剰人員の肩叩きが始まっている

  2. 7

    ユニクロ女子陸上競技部の要職に就任 青学大・原晋監督が日刊ゲンダイに語った「野望」

  3. 8

    巨人「松井秀喜の後継者+左キラー」↔ソフトB「二軍の帝王」…電撃トレードで得したのはどっち?

  4. 9

    西内まりや巨額金銭トラブル 借金の中身と“返済ウルトラC”

  5. 10

    巨人秋広↔ソフトBリチャード電撃トレードの舞台裏…“問題児交換”は巨人側から提案か