フリーになった途端に発症…上重聡さん帯状疱疹を振り返る
野球では高校で初めて寮生活になっても、大学で新しい環境になっても、甲子園という大舞台に立っても体調を崩すことはなかったので、自分はメンタルが強いと思い込んでいました。でも、それはある程度自信があることだったからで、アナウンサー1年目の不安やフリーという環境への自信のなさは、自覚とは無関係に体にちゃんと現れるんだなと思いました。
思えば4月の段階では5~6月のスケジュールは真っ白でした。21年間局アナで、ずっとレギュラー番組があって予定が埋まっていないことがなかっただけに、ギャップが激しく、夢の中で真っさらなスケジュール表が出てくるほどでした。
そもそも、仕事に対して無計画だったんです。辞めてみれば何とかなるだろうって思って先のことを考えていなかった。だから予定が埋まっていくことが薬になったというか……。スケジュールが1つ入るごとに気持ちが楽になっていくのを感じて、「じつは不安だったんだ」と気づいた次第です。
■SOSは早めに出そうと意識するようになった
今回のことは、逆に帯状疱疹ぐらいで済んでよかったと思っています。動けなくなるような大事にならなかっただけ幸せです。「病は気から」という言葉がありますが、いくら自分では大丈夫だと思っていても精神的な疲労は知らず知らずにたまっていて、体にダメージを与えるんですね。