アルツハイマー病の新治療薬「ドナネマブ」の実力と対象者
レカネマブ、ドナネマブともに点滴投与で、レカネマブが2週間に1回、ドナネマブが4週間に1回。レカネマブ同様、ドナネマブも脳出血や脳の腫れなどの副作用が確認されているが、定期的なMRI検査で早期に発見し、適切に対処することで管理可能だ。
患者側としてはどちらの薬が優れているかを知りたいところだが、レカネマブとドナネマブの直接の比較試験は行われていない。ただ、私たちがしっかりと念頭に置いておきたいのは、どちらの薬も早期アルツハイマー病を対象としているという点。薬の恩恵を受けるには、早期での発見が欠かせない。
「認知症と診断される前に軽度認知障害(MCI)があり、最新の厚労省の調査ではMCIが認知症の有病率を上回っていると推計されています。しかし実際は、MCIの診断に至っていない人がかなりいる。早期アルツハイマー病やMCIの段階では物忘れが年のせいかどうか判断がつきにくい。しかし『ちょっと違うぞ』というものがいくつかあった場合、念のため、専門外来を受診してほしい」
どこを受診するか迷ったら、認知症に関する専門医療相談や診断などを行う医療機関「認知症疾患医療センター」が全国にある。インターネットで探すことができる。