アミロイドβがたまり、最終的に神経細胞死滅や脳の萎縮を招く
アルツハイマー病の発症に至るメカニズムで明らかになっているのは、脳内にたまるタンパク質「アミロイドβ」が関係しているということです。
アミロイドβはゴミのような存在で、普通は速やかに排出されるのですが、何らかの原因で排出されなくなると、脳内に蓄積され、やがてアミロイド斑という塊になります。ゴミの塊ですね。
これはやがてタウタンパクという別のタンパク質の蓄積を招き、さらに脳の神経原線維の変化を招きます。すると脳の神経細胞が死滅し、脳が萎縮して、アルツハイマー病発症に至るのです。
昨年に認可されたレカネマブという薬は、蓄積したアミロイドβを減少させる働きがあります。言い換えれば、アミロイドβが蓄積されていなければ、レカネマブの威力を発揮させられません。そこで、アミロイドβの蓄積の有無を調べるアミロイドPET検査が必要となり、この検査を行う医療機関が増えているのです(まだまだ少ないですが)。レカネマブの使用目的で行うアミロイドPET検査は、決められた条件をクリアした場合、健康保険適用となります。
私が院長を務める「アルツクリニック東京」では、2018年の開院当時から自費でのアミロイドPET検査を行っています。
アミロイドPETは、検査機器自体が高額なため、検査費用もどうしても高額にならざるを得ません。当院の場合、アミロイドPET検査は税込み16万5000円。ただし、かつてはもっと高額で、現在は自費でもこれくらいで受けられるようになりました。