ミスをした時、詭弁を弄する医師はなにを守ろうとしているのか
医療事故を調査する機関があります。良い制度です。ただしその良さが、医者の間でもよく理解されていません。
調査は「犯人を見つけて罰する」ことが目的ではなく、①何が起こったのかを解明する②改善策を具体的に提起する、のが目的です。
JR西日本の尼崎脱線事故以来、西武鉄道などを除く多くの鉄道会社は「ミス=懲罰」の風習を絶った、と報道されています。
ところが、この医療事故調査の制度には大きな欠陥があります。病院長が要請しないと事案として取り上げてくれないのです! 先日、公共放送がこの制度を取り上げ「患者側からの要請で取り上げる道もある」(クローズアップ現代)と報道していましたが、これは誤報です。私自身が電話で「病院長の依頼でなければ受け付けられないこと」を確認しましたから。
官尊民卑に男尊女卑、古風な価値観に凝り固まった絶滅すべき思想の医者は、まだまだ生き残っています。「自分の行動はすべて正義! 過ちなどない!」(「三国志演義」『呂伯屠殺』)の曹操が思い起こされます。