「眼精疲労」肩こりに悩んでいる人が見逃しているかもしれない別の原因
「いい姿勢」という定義も曖昧
先に「いい姿勢でも、不良姿勢でも、目は疲れる」と述べましたが、それは「目を動かさない」場合においてのこと。目の疲労についてはそう言えても、筋肉の症状に関しては、いい姿勢をとるに越したことはないようです。
とはいえ「いい姿勢」という定義も曖昧で、「いい姿勢」で居続けることはほぼ不可能であり、居続けられたとしても、それはそれで問題があります。
◼️「20分.20秒.20フィート」で目を労って!
パンデミックが収束し、リモートワークやオンライン授業ではなくなっても、デジタル眼精疲労が起きやすい「環境」は変わりません。
そもそもコロナパンデミックが起こるずっと前から、1日8時間どころではなく、もっと長時間、モニターの画面を見続ける仕事をしている人も少なくないでしょう。そんなみなさんの目の疲れは、きっと自分で自覚している以上だと思います。
私もパソコンで動画編集などしていると時間をつい忘れてしまいます。他人事ではないですね。とはいえ、モニターを見ずにはできませんから、自力で目を労わらなくては。アメリカの眼科学会が紹介している方法で「目の休憩」を作業にはさみ、目を休めるように努めています。
それは「20分・20秒・20フィート」の法則で、パソコン作業を20分行ったら、20秒、20フィート(約6メートル)以上の遠くをぼんやり見る、というものです。これで焦点を調整する目の周りの筋肉をリラックスさせ、視細胞の機能回復にも役立つとのことで、覚えやすいので続けられています。
▽歌島 大輔(うたしま・だいすけ) 日本整形外科学会・日本専門医機構認定整形外科専門医。日本整形外科学会認定スポーツ医。1981年生まれ。山形大学医学部卒業。肩関節、肩関節鏡手術、スポーツ医学の専門家として、フリーランスの立場で複数の整形外科でさまざまな肩治療を行う。肩関節鏡手術は年間約400件と全国トップクラス。診療のかたわら、「医学的根拠のあるセルフケアを」との信念からYouTube開設、登録者20万人と人気を呼んでいる。