食品に含まれる「見えない糖質」に気をつけろ…糖尿病や肥満の原因に
その後、異性化液糖の研究が進み、ブドウ糖が多い混合物(ブドウ糖果糖液糖)、果糖の方が多い混合物(果糖ブドウ糖液糖)が作られるようになった。「果糖」という言葉が使われているが、無論フルーツは入っていない。
「異性化液糖は安心度の高いものですが、大量に継続して摂取した場合の健康への影響については議論があります。例えば、急激に血糖値を急上昇させるためインスリンの過剰分泌を引き起こし、結果として過食や肥満を引き起こす、肝臓に脂肪を蓄積させる、高血圧や動脈硬化への懸念、腸内細菌叢のバランスの変化などです。少なくとも消化に時間がかからないため一時に多く取ると血糖値が急激に上がるのは確か。とくに果糖ブドウ糖液糖は糖尿病の人やその予備群の人は摂取を控える方がいいと思います」
■乳製品や漬物にも含まれる
その一方で果糖ブドウ糖液糖を含む異性化液糖を含んだ食品は、街のいたるところに存在する。安価で大量生産できるうえ、液状なので運搬がしやすい、砂糖に比べて甘みがシャープに感じられる、果糖分の割合を変えることで甘味度の調整ができる、低温で甘みが増加するなどの特徴がある。そのため、清涼飲料水など多くの加工食品に含まれている。