犬や猫の糖尿病は1型と決めつけず、インスリン投与量を調整する
生活習慣病で悩むヒトが増えているように、生活習慣病を患うペットも増えています。先日、飼い主さんが連れて来られた10歳のワンちゃんもそうでした。
「水をガブ飲みして、すぐオシッコするんです」
この連載でも紹介した多飲多尿の症状で考えられる病気はいくつかありますが、糖尿病もその一つ。小型犬で下腹部が膨れていたこともあり、内分泌系のトラブルも考慮して血液検査をすると、コレステロール値と血糖値が検査限界を振り切れていました。脂質の異常については確定でも、糖尿病についてはまだ確定ではありません。
糖尿病には、インスリンが完全に分泌されない1型と、その分泌が不十分だったり効きにくくなったりする2型があります。いずれか判断するためです。
ネット情報だけでなく、専門誌にも、ワンちゃんやネコちゃんの糖尿病は1型が多い、ほとんどが1型と記されていて、すぐにインスリン療法に取り掛かるケースが多いように思われます。ところが、私の臨床経験からは2型も意外と少なくありません。受診時に一時的にインスリン分泌が不十分でも、その後、分泌が十分に改善されることもあります。