ふるさと納税に制度欠陥…仲介サイトの独自Pが自治体には負担、返礼品の魅力で偏る寄付金
「過去にあったアマゾンギフト券やその自治体に全く関係のない商材で寄付金を獲得するのは邪道で、こうした行き過ぎたやり方は是正されています。しかし、寄付の目的が自治体への興味や支援より、お得な返礼品である状況に変わりはありません」(渡辺広明氏)
毎年、宮崎県都城市や北海道の紋別市、根室市など、牛肉や魚介などが豊富に取れる産地に寄付金が集中している。
「ホタテやカニ、牛肉など名産品のある自治体にどうしても寄付金が偏りがちですが、地場のものを活用して寄付を募るため、不公平感が出てくるのはある程度仕方ありません。これから地方は衰退していく一方のため、条件が恵まれていない自治体も、これをきっかけに魅力的な返礼品の開発や地元のアピールに知恵を絞るしかないと思われます」(渡辺広明氏)
一方、ふるさと納税による税収流出が著しい東京23区や横浜市、名古屋市など大都市圏の自治体からは不満の声が聞かれる。さらに、控除対象になる収入に上限が設けられていないため、高所得者優遇の是正を求める声もある。ふるさと納税が本来の意味で地方の活力となる日は来るのか。