コメ不足の“犯人”は明らかだ 米国頼みの食糧政策に危機感ゼロのメディアと日本国民
では、なぜ自給率を上げられないのか? 鈴木宣弘東大教授の「世界で最初に飢えるのは日本」(講談社+α文庫)によれば、戦後、アメリカが日本人の食生活を無理やり変え、日本をアメリカ産農産物の一大消費地にしたことにあるというのだ。
そのため「洋食推進運動」を繰り広げ、給食には朝鮮戦争で余ったアメリカ産の小麦のコッペパンとまずい脱脂粉乳を出させた。疑うことを知らない善人ばかりのこの国の民は、コロッと洋食万歳、米を食うとバカになると“転向”したのだ。
鈴木教授の本の中に、1973年、当時のバッツ農務長官が、「日本を脅迫するのなら、食糧輸出を止めればいい」と豪語したとある。
農水省の試算によると、日本人の食事を洋食から和食に戻すだけで、自給率は63%にもなるという。同省は、いったん有事の際には1日3食イモになるとも予測している。
国防の要は国民の安全と食糧確保だが、どちらもアメリカ頼みのままでいいはずはない。だが、そうした考えをメディアでほとんど聞いたことがないのはなぜか。