兵庫県議会は斎藤元彦知事への不信任案提出…パワハラ男の「心の闇」を精神科医が分析

公開日: 更新日:

 パワハラ問題やおねだり疑惑で追い詰められた兵庫県の斎藤元彦知事は、議会初日の19日に不信任案を提出され、全会一致で可決される見通しだ。可決となると、知事は10日以内に議会を解散するか、失職するか。究極の2択を迫られるが、解散権をチラつかせる発言を繰り返していて、失職する気はないのだろう。県民からも「恥さらし」と罵倒され、四面楚歌状態になりながら、なぜ知事のポストにこだわり続けるのか。

  ◇  ◇  ◇

 県議会4会派と無所属議員4人から即時辞職を求められた12日、斎藤知事は「これから9月議会が始まるので、県民生活を支えるために補正予算を提出していきたい。具体的には、家計応援キャンペーンということで、プレミアム付き商品券的なものを予定しています。100億円の補正予算を提出させていただこうと思います」と、補正予算を盾に辞職要求をかわす発言をしている。

 それを受けて記者から不信任案について問われると、「不信任決議案が提出、可決されれば私としては法律にのっとってさまざまな選択肢があるので、それをしっかり考えていく」と今度は解散をチラつかせて議会にゆさぶりを図った。

 4会派などの辞職要求に先立ち、維新はすでに辞職を求めていて、県議会の全86人が「辞めろ」コールを突きつけたことになる。12日の会見ではこう断言した。

「来年7月までの任期をまっとうしたい」

■こじらせた自己愛で自分を過大評価

 斎藤知事誕生の原動力となった自民や維新にも引導を渡され、全面的に集中砲火を浴びてなお、知事にこだわり続ける。

 与党にさえ反対されるのは異例中の異例だが、それでも何食わぬ顔で知事のポストを守ろうとするのは、かなりずぶとい神経といえる。

 精神科医で明陵クリニック院長の吉竹弘行氏は「あくまでも一般論ですが」と断った上で、こう分析する。

「幼少期からの成長過程で適切な環境で育つと、自尊心や自己肯定感が健全に発達し、自分を愛すると同時に周りにも愛情を向けられるようになります。それが精神医学用語の『自己愛』です。一般の人はこの言葉からナルシシストを思い浮かべるかもしれませんが、他者への愛も含んでいます。ところが、過度に甘やかされたり、逆に極端に厳しく育てられたりすると、自己愛が歪められることがあります。そうすると、自分に対して過大評価や誇大感を抱くようになる一方、自尊心はとても脆弱であるがゆえに周りからの称賛を強く求めたり、他者への共感が極めてとぼしくなったりするのです。このような症状を見せる疾患を自己愛性パーソナリティー障害といって、社会生活を送る上ではパワハラなどでよくトラブルを起こしやすいし、ポストに執着しやすい」

 斎藤知事がそうであるということではなく、あくまでも一般論だが、吉竹氏の説明に斎藤知事の言動が重なる部分はあるような気がする。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    悠仁さまは学習院ではなぜダメだった?大学進学で疲弊する宮内庁職員「もうやめたい」と悲鳴

  2. 2

    小室圭さん騒動時を彷彿させる宮内庁長官の“ズレ”…まずは悠仁さま世代の受験生が納得する丁寧な説明を

  3. 3

    兵庫パワハラ知事やコバホークも? 東大→官僚→政治家は“ピカピカの経歴”にあらず旧いタイプ

  4. 4

    小泉進次郎氏のトンチンカンが止まらない!「大学に行くのがすべてではない」「改憲はファストパス」まで飛び出す始末

  5. 5

    教団とズブズブ自民党・萩生田光一ついに落選危機…最強刺客“統一教会キラー”が東京24区に参戦

  1. 6

    石破茂総理誕生で「愛子天皇」前進か…国民の9割が賛成も女系天皇の皇位継承に大反対の壁

  2. 7

    悠仁さまは東大志望でも…一般受験生が選ぶなら"定評ある"トンボ研究の大学は?

  3. 8

    ただの思い付きじゃなかった? 小泉進次郎氏が「解雇規制の緩和」をぶち上げたワケ

  4. 9

    大阪万博の目玉に「火星の石」急浮上? 期待寄せる吉村知事、でも開幕前から見られるで

  5. 10

    高市早苗氏の猛追に旧統一教会が見え隠れ…熱心な信者がXで「サナエ一択」を大拡散

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷に懸念される「エポックメーキングの反動」…イチロー、カブレラもポストシーズンで苦しんだ

  2. 2

    やす子の激走で「24時間テレビ」は“大成功”のはずが…若い視聴者からソッポで日テレ大慌て

  3. 3

    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

  4. 4

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5

    阿部巨人が《もっともビビる》阪神投手の復帰でCS戦々恐々…Gナインに根付く苦手意識

  1. 6

    阪神・大山悠輔を絶不調に変えた根本原因…良かれと取り組んだオフの肉体改造が裏目

  2. 7

    兵庫パワハラ知事やコバホークも? 東大→官僚→政治家は“ピカピカの経歴”にあらず旧いタイプ

  3. 8

    やす子「24時間テレビ」での好感度上昇は諸刃の剣…早くも“イジリにくい芸人”になる懸念

  4. 9

    キムタクが迫られる「主役の座」からの退場…盟友からも“二番手”降格を提言される異例の事態

  5. 10

    神田正輝「旅サラダ」“有終の美”前に拒絶態度は変わらず…沙也加さん元カレ舞台中止で復帰は絶望的