「CEATEC 2024」を現地ルポ 家電評論家・多賀一晃氏が注目技術を深掘り
国内最大級のデジタルイノベーション総合展示会「CEATEC(シーテック) 2024」が18日、閉幕した。25回目となる今年は、初めて「JAPAN MOBILITY SHOW BIZWEEK 2024」も併催され、会期4日間の登録来場者数は前年比25.8%増の11万2014人と盛り上がった。記者は、家電評論家の多賀一晃さんと現場を取材。多賀さんに今年の注目をリポートしてもらった。
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シーテックには、808社/団体が出展。その中から新市場の創造や発展に貢献する技術やサービスが選ばれ、事前に総務大臣賞を筆頭に経産大臣賞、デジタル大臣賞などが決定します。総務大臣賞は、ViXionの「ViXion01S~目のピント調節機能を代替・拡張する次世代アイウェア」でした。各賞のタイトルを読むだけでも、ざっくりとした最近のトレンドが分かりますが、私が紹介するのは受賞とは無関係のモノです。
まず注目したのは、ヤマダHD傘下のヤマダホームズが提案した「YAMADAスマートハウス」です。「スマートホーム」という考え方は元々米国で提唱され、日本では10年ほど前から普及しています。
しかし、正確な定義はありません。しいていえば、IoT(Internet of Things=モノがインターネットとつながること)やAI(人工知能)などを活用し、人をサポートする家。スタートは「0エネルギーハウス」でしたが、当時は消費電力という基本データさえデジタルで取れない時代でした。
その後、電力会社はスマートメーター(電気使用状況の見える化や検針業務の自動化を可能にする電力量計)を導入。無線通信技術のWi-Fiなど最低限のインフラが整えられたほか、IoT家電が登場したことで、スマートホームは節電だけでなくいろいろなことができるようになったのです。
いまや現在時点の消費電力を見ることも可能になっています。しかし、ほとんどの人は、ややこしい設定ができていません。