LIVENT 三上力央社長(1)業界の非常識を持ち込んで成功した
■葬儀も婚礼もオーダーメードで
「起業理念は、感動をつくって、関わる人を幸せにする。これは留学時から決めていました。そこで始めたのが冠婚葬祭事業です。一つは、故人が残された人々の心に生き続けるようなお葬式ビジネス。もう一つは、永遠になくならない会場でのウエディング事業です。両方ともオーダーメードでやろうと決めました」
当時の冠婚葬祭は、ホテルや斎場などお決まりの場所で同じ内容というのが定番。そこに花をテーマにしたカラフルで自分らしい葬儀や、旧細川侯爵邸など歴史的建造物を借り切って行うガーデンウエディングを持ち込んで注目を集めた。
「花葬儀もガーデンウエディングも当時の業界からしてみれば、ある意味、非常識でした。なまじ業界のことを知らなかったからできたのだと思います。そこがお客さまに受けたのです」
この2つの事業はテレビや雑誌などでも大きく取り上げられ、着実に売り上げを伸ばしていった。まさにアイデアとコンセプトの勝利。しかし、この急成長が、後に三上の足を引っ張ることになる。 (つづく)
(ライター・いからしひろき)