LIVENT 三上力央社長(1)業界の非常識を持ち込んで成功した
「例えば接触時間縮小のために導入したオンライン記帳が効率性を上げたり、祭壇の花について説明するために導入したコンセプトボードが分かりやすさにつながったり、独自の価値がさらに磨かれました。まさに雨降って地固まるという感じです」
そもそも三上にとって、このコロナ禍は大したトラブルではなかった。「2017年に比べれば」と振り返る。その年に一体何があったのか──。
三上がLIVENTを興したのは2002年。外資系コンサルティング会社を3年で辞め、大学・留学時代の友人やコンサル会社の同僚など7人で創業準備した。
「父親が電気工事業をしていまして、後を継ごうと思っていたのですが、アメリカ留学した先の大学が人生を変えました。ナイキの創業者も卒業したオレゴン大学ビジネス学部のアントレプレナーシップ学科。一緒に学んでいる友人から、なぜ父親の会社で働くのか、起業しないのか、自分の人生を自分で表現しないのかなどと言われて、自分の人生を考え直したのです」
日本に戻って就職したコンサルティング会社には、入社時に「3年で辞めます」と宣言。主にゲームやテレビなどエンターテインメント業界のコンサルティングに従事し、きっちり3年後に退社。会社を立ち上げた。