「イトーヨーカ堂」が都内屈指の好立地店から立ち退きのナゼ…ライバル「イオン」が後継テナントに
このため、小宮恒産は21年末での賃貸借契約の終了を通告。ヨーカ堂側がこれを無視して居座り続けたことから明け渡しを求めて東京地裁に提訴、係争事件に発展していた。その結果、1審、2審ともヨーカ堂の敗訴で終わったことから、ヨーカ堂としては「上告審まで争っても勝ち目はない」(関係者)と判断、11月下旬になって退去を決めた。
店舗閉鎖の時期などは今後、両者で協議するが、小宮恒産側は「立ち退き料を支払う意向を示している」(事情通)という。そのうえで小宮では現有物件を解体。建て替えを行ってイオンに賃貸する方向のようだ。イオンでは新たな都市型ショッピングセンターブランド「そよら」での展開も含めて出店形態を検討しているとされる。
ヨーカ堂は3期連続最終赤字に陥っている。このため、親会社のセブン&アイ・ホールディングスは都内を中心に店舗網を集約。足元124店舗を26年2月末までに93店舗に絞り込む計画を進めている。ただ、上板橋店の“喪失”は「想定外」(幹部)とみられ、グループ内からは「痛い」の声も漏れる。