ふくおかFG「みんなの銀行」の誤算…金融庁が先進的と評価も収益化に疑問
地銀最大手のふくおかフィナンシャルグループ(FG)傘下の「みんなの銀行」(永吉健一頭取)は、新サービス「Circle(サークル)」を12月19日から開始した。
みんなの銀行は2021年5月からサービスを開始した国内初のデジタル銀行だ。口座開設から各種機能の利用まで、スマートフォン向けアプリに集約している。デジタルを起点とする銀行ということで通帳もカードもない。Circleは、他業種のデジタルサービスを集めたカタログのようなサービスだ。
新サービス発表の席上、永吉頭取は「ユーザー数は85万口座くらいにきており、その7割が30代以下。これは既存の銀行とは全く逆の顧客基盤」と、従来の地銀の顧客層とは異なるデジタルネーティブな若者を取り込めていると胸を張った。
しかし、華々しい新サービスリリースとは裏腹に、同行の業績は振るわない。
■3期連続の赤字は決定的
「銀行法では原則開業3年以内に黒字化することが求められているが、23年9月期中間決算の最終損益は27億円の赤字。通期でも90億円程度の赤字が見込まれており、3期連続の赤字は決定的だ。このため黒字化の達成時期は開業5年目の25年度に先送りされていたが、さらに27年度に再延期された」(地銀幹部)というのだ。