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小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

ふくおかFG「みんなの銀行」の誤算…金融庁が先進的と評価も収益化に疑問

公開日: 更新日:

 地銀最大手のふくおかフィナンシャルグループ(FG)傘下の「みんなの銀行」(永吉健一頭取)は、新サービス「Circle(サークル)」を12月19日から開始した。

 みんなの銀行は2021年5月からサービスを開始した国内初のデジタル銀行だ。口座開設から各種機能の利用まで、スマートフォン向けアプリに集約している。デジタルを起点とする銀行ということで通帳もカードもない。Circleは、他業種のデジタルサービスを集めたカタログのようなサービスだ。

 新サービス発表の席上、永吉頭取は「ユーザー数は85万口座くらいにきており、その7割が30代以下。これは既存の銀行とは全く逆の顧客基盤」と、従来の地銀の顧客層とは異なるデジタルネーティブな若者を取り込めていると胸を張った。

 しかし、華々しい新サービスリリースとは裏腹に、同行の業績は振るわない。

■3期連続の赤字は決定的

「銀行法では原則開業3年以内に黒字化することが求められているが、23年9月期中間決算の最終損益は27億円の赤字。通期でも90億円程度の赤字が見込まれており、3期連続の赤字は決定的だ。このため黒字化の達成時期は開業5年目の25年度に先送りされていたが、さらに27年度に再延期された」(地銀幹部)というのだ。

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