2024年のゴールド投資はどうなる? 1年をおさらいし、今後の行方を考える
2023年は価格が上がり続けた金(ゴールド)。来年も上がるのか。もはや上限に達したのか。一年のおさらいをしつつ、今後の行方を考えてみよう。
「今年は金価格(円建て)が1万円を超えたのがエポックメーキングでした。金はここ20年で10倍に値上がりしています。ただ来年(2024年)は、今までのように一本調子で上がってはいかないでしょう」
そう話すのは経済ジャーナリストの森岡英樹氏。
日本で金価格が値上がりした背景には主に次のような要素があったという。まずはこの点をおさらいしてみよう。
①金利差による円安効果
日米の長期金利差で、金利の高い米国のドルが買われて、円が売られたため。円安になると、それだけでドル建ての金価格が上がる。
②中央銀行の金の購入
2022年以降、外貨準備で、究極の資産である金の保有率を引き上げて買われた。買われれば金価格が上がり、中央銀行は長期保有するのが特徴。
③有事の金買い
ロシアのウクライナ侵攻で、条件反射的に金が買われた。
④ドルの信認の低下
中国とその経済圏の挑戦による大国・米国の基軸通貨ドルの絶対的地位の低下。基軸通貨ドルよりも金での取引が選好される。
以上の要素が、金価格の上昇に貢献した。金は鉱山採掘量に限度があるため価格が下がりづらいというのも特徴だ。そのため、金は分散投資に向いているとされる。