日本は脱税天国か?二階俊博元幹事長にくすぶる巨額「課税逃れ」疑惑…使途不明金50億円超
自民党派閥による裏金事件の実態解明が遅々として進まぬ中、国会審議は「裏金」転じて「脱税天国」追及の様相を呈し始めている。政党から党幹部などの政治家個人へ寄付される「政策活動費」を巡り、5日の衆院予算委員会は紛糾。野党側が焦点をあてたのは、かつて50億円超の「掴み金」を受け取っていた二階元幹事長の巨額脱税疑惑である。
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5日の予算委では、収支報告書の訂正だけで「おとがめなし」となった裏金議員について、野党から脱税を指摘する声が続出した。立憲民主の井坂信彦議員が「裏金がばれたら『政治団体のお金でした』と言って非課税になるなら、政治家は脱税し放題だ」と追及すると、岸田首相はノラリクラリ。「課税か、非課税かは国税等が判断すること」と同じ答弁を何度も繰り返した。
「国民の信頼回復に全力を尽くす」と言いながら、実態解明の手段は身内によるアンケートと聞き取り調査のみ。さらに、井坂氏は過去に50億円もの政策活動費を受け取った二階氏の脱税疑惑を追及。
政党から政治家個人に支出される「政策活動費」には使途の公表義務がない。いわば領収書のいらない「合法的な裏金」だ。二階氏は過去20年で計約50億6000万円を受け取り、うち約47億7000万円は歴代最長である約5年(2016年8月~21年9月)の幹事長時代である。
計160回に及ぶ支出額は1回あたり30万~7210万円。20年6月9日はたった1日で「7210万円」「5000万円」「5000万円」と、3回にわたって計1億7210万円が支払われ、同様に1日1億円超を受け取ったケースが在任中に3日あった。
問題は二階氏がこれだけのカネを使い切ったのか、どうかだ。先月29日の衆院予算委で、政府参考人の国税庁幹部は「政策活動費は(使い切らずに)年末に余っていれば納税の義務がある」と答弁。井坂氏はこの指摘を引き合いに「二階さんは政策活動費を毎年、使い切っていたか」と岸田首相に迫った。